晴れ女のわがままジャーニー(人生も旅も)

自由人です。やりたいことをやります。まず、やってみる。

言語習得で大事なことは、文字と文字を結び付けないこと!

前回、SVOがあやふやなままでも英語は話せるようになるというお話をしました。

じゃあどうすれば語学力を伸ばせるんですか?

あなた語学を舐めてるんですか?

どうせオーストラリアに住んでいたからしゃべれるんでしょ?

 

そんな声が聞こえてきそうです。

 

そこで、私なりの言語の基礎習得法をお話ししたいと思います。言語を楽に話すための基盤を作ることはとても大事だです。

と、その前に質問です。

 

自分はどうやって日本語会話を身につけましたか?

 

私は、

 

全く覚えていません!!

ある程度長い文章を書くのは小学校の国語で勉強したかもしれませんが、小学校に上がった時にはすでに自分は日本語がペラペラでした。親や先生の言うことも理解できていたし、自分が言いたいことも言えました。幼稚園でアイウエオぐらいは書いたかもしれませんが、その他言語に関する勉強らしきことは全くしていません。生活の中で様々な体験を通じて身についたのです。

 

では、外国語を学ぶときはどうでしょう?

 

全く学習した記憶にないのに外国語で会話ができるようになっていた!なんてことは、ドラえもんの「ほんやく(翻訳)こんにゃく」でも食べない限り、ないはずです。

外国語を始める時は入門レベルの教科書を買ったり、学校に行って基礎の基礎、中国語ならピンイン、英語ならアルファベットから学ぶのが普通です。最初の簡単な挨拶程度を習う時期はどんどん頭に入ってくるので楽しいものです。ところが、徐々に学ぶ文法事項が増えてくると、脱落する人が出てきて、やがてやめてしまう人もいます。

 

なぜでしょうか?

始めた時はあーんなにやる気満々だったのに。

 

なぜなら、それはもはや言語を身につけるという体験ではなく、机上の勉強になってしまっているからだと思います。一旦勉強になってしまうと、語学学習でやってしまいがちなミスが、日本語を英語に、英語を日本語にして理解する方法です。つまり、ある言語の文字や単語を別の文字や単語に直す。さらには文から文に移すという作業です。

私個人の考え方ですが、これをやってしまうと、もはや言語の習得は受験勉強と変わらなくなってしまいます。それは、頭の良い人には可能かもしれません。でも、言語というものはそもそも、頭の良し悪しに関係なく習得できるもので、学業成績が悪いから漫画が読めないとか、アニメを見て理解できないということはほとんどないはずです。ただ、勉強を頑張らなかった人はなかなか高度な文章や理論を理解することは難しいかもですが。

裏を返せば、言語を習得する上で必要なのは、言い換えると、ネイティブのような口語の理解力と発話力を身につけるには、なにも新聞なんか読む必要はなく、難しい論文や小説を読む必要もなく、ドラえもんちびまる子ちゃんを見て理解でき、のび太君やスネ夫に話しかけられるぐらいの会話力があれば良いのです。

 

なら、どうしますか?

 

なら、ドラえもんを見るべきです。英語でドラえもんがなければ、子供向けの番組を見るべきです。小さな子どもは字が読めません。字が読めない幼児向けの番組をノンネイティブの大人も見るべきだと私は前々から勧めています。

そしたら、大抵の人は見てもわかんないとか言います。

でも大丈夫です!

見ていればそのうち分かるようになります!

中高で少なからず英語を勉強したことがあるのなら尚更、わかるようになります!ただ、子ども番組とはいえ、ノンネイティブには最初はキツイと思います。大事なことは、わからなくてもずっと見続けることです。それも、ただ見るだけではなく、分からない時は、何が言いたいのか、何をしようとしているのかを一生懸命理解しようとしてください。このレベルをすっ飛ばして難しい文章を理解できても英語はペラペラにはなれません。TOEICが満点なのに話すのが苦手!という人がいたら、ぜひ一度、子どもむけの番組をじっくり見てもらいたいです。

 

私はオーストラリアに住んでいた頃、よくオージーの3歳児と一緒に"Hi-5!"や"Bananas in Pyjiamas"という幼児向け番組を見ていました。"Hi-5!"は日本なら「おかあさんといっしょ」のようなガチの子ども番組でしたが、お姉さんやお兄さんなどの動きと語りかけてくる言葉とがそこで完全に一致したのを覚えています。英語と現実世界が繋がったのです。私はそれまでhigh fiveの意味さえ知りませんでした。gynecologyなどというビッグワードは知っていたにも関わらずです。3歳児と一緒にお姉さんやお兄さんを見たり歌ったりしていると英語の動詞や形容詞の語感なども培われます。できれば、適当でいいので自分も同じように聴いたままの言葉を発してみましょう。

 

そのあとはシンプソンズを見ました。"Hi-5!"よりレベルは高いですが、このアニメもまたアメリカの日常生活を如実に描写した状況が多いので、絵を見て音を聞くだけで辞書などなくても場面⇨誰かが言葉を発する⇨結論という一連の流れから、理解できてしまいます。それからコメディーのサインフィールドも見ました。フレンズも見ました。と、徐々にレベルを上げていき、やっと大人のドラマを理解できるまでになったのです。

 

でもぶっちゃけ大人のドラマが理解できなくても、生活で必要な会話は子ども番組レベルで十分できるようになります。

大事なのは、言語と世界を直接結びつけることです。例えば、お兄さんが長方形のものを一生懸命並べて何か作ろうとしています。その時rectangleと言いながらあっち行ったりこっち行ったりしていたら、その物体を自分でもrectangleと呼んでみるだけです。そこでrectangle=長方形と文字にしてしまったら、それは文字と文字の結び付けになってしまうのでダメです。そこには一切の理由付けも翻訳も必要ありません。

それをやった途端、それは体験ではなく、ただの勉強になってしまいます。すると自分がいざ言おうとしてもとっさに出て来づらくなるのです。少なくとも私の場合はそうです。でも、場面で印象付けられた記憶は滅多に忘れることはありません。例えば、シンプソンズである日、レジのお姉さんがホーマーに向かって "You are maxed out!" と言いました。するとホーマはじゃあこれは?といって別のクレジットカードを出します。するとこれもmaxed out。じゃあこれは?これは?となって結局なんも買えない場面ですが、このmaxed outの意味、もうお分かりですよね。限度額を超えちゃったということです。これをこうした場面ではなく単に参考書でmax outとして出てきたので、辞書で意味調べて綺麗にノートまとめただけで、果たして使いたい時にとっさに出てくるでしょうか?

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シンプソンズ

よく、日本語でもある単語や表現に関して子どもにどういう意味かと聞かれて、自分は意味が分かっているのに、うまく説明できないことってありませんか?それはもしかしたら、その表現と世界がダイレクトに繋がっているせいかもしれません。国語辞典はそれを賢い人が明確にしたものです。でもたまに読んでもピンとこないこともあります。

例えば、誰もが知っている「お手」という単語をスーパー大辞林で引くと、名詞として、3番目に『犬に、前足を上げて人の手に触れるよう命ずる言葉』と出てきます。これだけ読むと、人が命ずる言葉だけが「お手」のようにも解釈できますが、実生活の中で使うときは、「この犬はお手が出来る」とも言えます。つまり、命じられてそれに応える行為そのものも私たちは無意識に「お手」と呼んでいます。でも、この辞書の説明だけをもとに「この犬はお手が出来る」を理解しようとすると、まるで犬が「お手!」と喋れるみたいになってしまいます。

でもですよ。

すぐ目の前に犬がいて、飼い主が「うちのワンコ、お手が出来るようになったんだよ」と言って、犬に向かって「お手」と言い、犬がpawを差し出してご主人様の手にのせたとしたらどうですか。

あーこれがお手か!と一目瞭然です。きっと「お手」という言葉は小さな子でも理解できるはず。

 

私が言語を身につけようとするときに重視していることはこうした小さな体験の積み重ねです。常に言葉と自分の周りの世界を直接繋げることを意識しています。単語をノートに何度描いても現実世界と結びついていなければ、忘れやすいものです。かといって、一生ノートに書き続けられるほどヒトって暇じゃないと思います。

 

最初はピンとこないかもしれませんが、外国語は、一度世界とその言葉がつながり始めると、しゃべるのが途端にとても楽になります。解りにくいかもしれませんが、概念というかもやっとしたものと言語を直に結びつける感じです。

なんだかもやッとしますよね。すみません。

 

あー単語が覚えられない!と悩んでしまったら、このやり方もぜひ参考にしてみてください。