ー言語交換あるいは語学エクスチェンジー
語学をしている人なら、挑戦したことがある人も多いのではないでしょうか。
私もあります。
語学を素人同志で教えあうって、ぶっちゃけどうなんでしょ?
賛否両論あるかと思いますが
私の結論は・・・「なんだかねえ〜」というところです。
私はもう20年近く英語の通訳や翻訳を生業にしてきました。
某有名英会話学校で英会話や資格コースの講師もしたことがあります。
だから、言語交換なんて余裕のよっちゃんだと思っていたのですが。。
これが意外と上手くいかない!
そこで、「言語交換が続かない理由」と題して、なぜ上手くいかないのかを分析してみました。
言語交換が続かない理由
言語力格差
言語交換で一番ありがちなのが、出会った2人の語学力に差があるパターンです。
例えば、日本人と台湾人が出会ったとします。
この時、日本人は中国語の初心者で、台湾人は日本語能力検定試験の最高級であるN1を持っている場合、最初に出会った時の会話は自然と日本語になります。
初心者では意思疎通に難があるので、これは自然なことです。逆に日本人にとってはありがたいと思うでしょう?
ですが、これがそもそもの悲劇。終始日本語で会話するので、この日本人にとっては何の勉強にもなりません。相手がよっぽど語学初心者に教えるのが上手な素人か、教員でもない限り、その人から数パターンの新しい中国語の文を教わってさようならが関の山。
一方で、相手方はたくさん日本語が話せて満足。なんてことが起こりえます。
言語力が共に初心者
これもアナザー悲劇のパターンです。
両者が満足に会話できない状態だと、何を話すにも相当なフラストレーションが溜まります。
我慢強く続けていけばいいですが、変な誤解が生じたりすることもあります。
両者が英語などの別の共通語を話せる場合は別ですが、そうでなければ、かなりシンドイ交流になることは間違いありません。
性格が合わない
会ってみたけど、話が弾まなかった。
何だか暗い人だった。何だか趣味が全然合わなかった。
こうゆう場合は、1、2回会った後から、何を言うでもなく、当たり前のように連絡が途絶えます。
言語交換する場所が9割がたカフェ
会う場所はカフェが多いと思います。
カフェで待ち合わせして、ノートを取り出して話すスタイルをよく見かけますし、自分がやった時もそうでした。
でも、初対面や出会ってまだ2、3回の人とカフェで会って話すこととってそんなに無いなと思うのは私だけでしょうか?
しかも、ノートやテキストを取り出した時点で学校の勉強と何ら変わりませんし、むしろ相手は素人ですから、効率が悪いです。
言語交換の醍醐味は、相手からネイティブで自然な表現やフレーズを学べることだと思います。様々な行動や動きの中から学ぶためには、カフェにじっと座るのではなく、市場やサッカー場に飛び出した方が学べることは多いと思います。
学習(滞在)時間が曖昧
語学学校のレッスンと違って、カフェでの滞在って時間が決まっていません。
私はぶっちゃけ、帰るタイミングが分からないです。
早すぎても遅すぎてもNGな気がします。
仮にお互いの言語に割く時間を30分ずつと決めたとしましょう。
滞在時間は合計1時間ですが、そんなにうまくいったことは無いですし、片方が熱心だと、説明の途中で、「時間なのでじゃあ日本語やります」とは言いづらく、結局その言語だけやって終わってしまうことも。
じゃあ、日本語は来週やりましょう!などと言われて、その来週が2度と来なかったこともあります。
お互いに気を遣える同士ならいいですが、そうでなければなかなか難しいです。
お互いの時間が合わない
これも過去にありました。
ただ、これはオンラインで出会ったパターンで、歳も近くて、話しやすく、折角連絡を取り合うようになったのに、時差がありすぎて、早起きや夜更かしが辛くなり、止めたパターンがありました。
言語交換の相手はただの素人
素人なので、レッスンはできないにしても、いろいろ質問をして教え合えるのがエクスチェンジのいいところです。
ですが、相手も自分も素人なので、うまく説明できないのは当たり前。
ましてや、自分の母校語に疑問を持ったことなどないので、なんで?といきなり聞かれても、普通の人はなかなかうまく説明できないものです。
仮に、説明できたとしても、相手の言語でどこまでうまく伝えられるでしょうか。
ざっと述べましたが、いかがですか?
言語エクスチェンジは、無料で、一見楽しそうなので、気軽に始められる勉強法ではありますが、始める人が多い一方で、すぐにやめてしまう人も多いようです。
エクスチェンジが上手くいく王道パターンは、男女で出会って恋愛に発展するパターンかもしれません。
恋に言語は関係ないですものね。
結論
私は、過去に言語交換によって、自分の語学力が上がったという記憶はありません。
ただ、楽しい人に出会えば楽しいし、楽しくなければすぐ終わるといった感じでした。
もちろんお互いが気をつける同士で、よっぽどうまくいけば別でしょうが、私はうまくいきませんでした。
いろいろやった中で私が悟ったことを述べます。
語学力をタダで伸ばしたいなら、言語交換ではなく、一切日本語が話せない人と友達になる方が早いと思います。
目的は言語学習ではなく、何か他の活動を一緒にすることです。
例えば、一緒に買い物に行くもよし、一緒にスポーツで汗を流すもよしです。
そうした中で、相手が自然に発する言葉を吸収していくのです。
純粋に友達として交流する中で、自然に言語を身につけていくのが一番楽で楽しくていいと思います。