前回のラスパルマスの記事を書いたときは、次はクルーズの順番通りにモロッコのことを書こうと思っていました。
でも、ウクライナの惨状を毎晩ニュースで目の当たりにする中、ウクライナに少しでも多くの人々に関心を寄せてもらいたくて、今、順番飛ばしでウクライナについて書いています。
本来楽しかった旅の思い出をこんな悲しいトーンで書かなければならなくなったことがとても残念です。
オデーサの場所
ピースボートの船はトルコのボスポラス海峡を抜けて黒海に入り、ブルガリアとルーマニアに滞在した後、ウクライナのオデーサに寄港しました。
隣国モルドバにほど近い場所で、2日目のツアー中には実際にモルドバが見える場所にも行きました。
オデーサは重要な貿易港です。
現在ウクライナを侵攻しているロシアともつながりが深く、ロシア帝国の女帝エカテリーナ 2 世により “オデッサ” の名前を付けられました。
その後、ウクライナは1991年にロシアから独立しています。
寄港したのはちょうど今くらい(4月頭)で、日本では春ですが、オデーサはまだ寒かったのを覚えています。
ポチョムキンの階段
オデーサの港を降りるとまずすぐに現れるのがポチョムキンの階段です。
巨大な階段でこの町の象徴でもあります。
非常に巨大で立派な階段です。
この日も多くの人々で賑わっていました。
登るまえは階段の長さにゲゲっという感じですが、実際に登ってみるとあっという間です。
楽しかったからかな。
この階段を上っていくとオデーサの街が広がります。
私が見たオデーサは国際都市でありながらカラフルで庶民的
今、夜のニュースを見ながらこのブログを書いていますが、今日は避難民が殺到する駅が攻撃されて多くの民間人が亡くなったとのことでした。
悲しすぎて、残酷すぎて、言葉が出ません。
10年前のオデーサの街はこんなに賑わっていました。
日常が確かに存在していたのです。
色とりどりのバルーンが売られ、子供も大人も楽しそうでした。
ピースボートはこの日、お神輿を持ってこの街を練り歩き、ソーラン節のステージを披露しました。
いきなりやってきた日本人をウクライナの人々は温かく楽しそうに見守ってくれました。
街には露天が出ており、そぞろ歩きをするだけで楽しさが伝わってきました。
ミンクや猛禽類を連れた人もいて、街は交流する人々で溢れていました。
こんな楽しそうな日常を奪ったあの独裁者が許せません。
オデーサだけでなく、他の都市にもあった日常。
それがどんどん破壊されています。
人の命が奪われています。
この写真に写っている人の中には出征した人がいるかもしれません。
この写真に写っている人の中には負傷したり亡くなってしまった人がいるかもしれません。
歴史的な建造物と珍しい木。
美しい街です。
この下の写真の左端にものすごく小さく写っている赤とピンクの服を着たおばあちゃんと孫は、この写真を撮る前に近寄って話をしました。
写真も撮りました。勝手にアップの顔を出すわけにはいかないのでここには載せませんが、とても可愛い親子でした。
小さな子供は小さなお人形を握りしめたままでよちよち歩いていました。
下のフォトジェニックなバスに描かれているのは何かの映画のシーンでしょうか?
オープンカフェのようでした。
オシャレですね。
寒い冬がまだ続くオデーサでしたが、すっきりとした落ち着いた街並みのところどころにカラフルな車やお店が点在していました。
歩いていると、夕暮れ時、屋外でチェス(右)や見たことのないゲーム(左)にいそしんでいるおじさんたちの集団を発見しました。
中国でもこうゆう光景みましたが、屋外で近所の人と遊ぶのって、なんか憧れます。
夕暮れ時、晩ご飯を楽しみにしながら、ギリギリの時間まで近所の人とゲームを楽しむーーー一度やってみたいものです。
これも確かにあった日常です。
でも今、ウクライナはそれどころではないのです。
日常が奪われたばかりでなく
命の危険にさらされています。
多くの命を奪う悪魔はなぜこのような卑劣で残酷な行為を続けるのでしょうか。
絶対に許してはならないと思います。
オデーサの美しい劇場で観劇
この日(初日)の夜の仕事はオデーサにある美しいオデッサ・オペラ・バレエ劇場で観劇するツアーでした。
オデッサ・オペラ・バレエ劇場はウクライナで最も古い歌劇場です。
このツアー何がいいって、ガイドも通訳(私)もお客様を会場に連れて行って、連れて帰るだけのところです。
もちろんバスの中で劇場の歴史など説明はしますが、劇場は港から近いのであっという間に到着して解放されました。
そして会場の照明が落ちたらもう自分は演目を堪能できるのです。
ここではバレエの演目他数本を見ました。
日本人のダンサーもいました!
観劇もいいですが、この劇場は中を見学するだけでも十分観光になると思います。
外観は立派ながらシンプルですが、一歩足を踏み入れると、内部は非常に美しい劇場です。
2階に上がる階段も美しく、多くの人が写真を撮っていました。
天井のシャンデリアの周りにもフレスコ画のような美しい絵があります(上)。
ボックスシートはやはり特別な場所ですね。
いつかオペラ座の怪人をボックス席から見てみたいものです。
オデーサの夜は素敵でした。
でも今、戦火はこのオデーサの目と鼻の先まで迫っています。
この美しい街と人々が破壊されて犠牲になるのは絶対に見たくありません。
神様、何とかなりませんか?
毎晩ニュースであの独裁者の顔をみると吐き気がします。
もう気持ち悪すぎて名前さえ書きたくありません。
私がその名前を書くとしたらそれはデスノートだけです。
地球上のたったひとりの恐ろしく残酷なモンスターに対して、戦争に反対する国でさえ成す術がなく、私たちはあまりにも非力です。
もっとロシア国内の人々にこの悲しい現状を届けたいと思っていますが、私はロシア語もできなければインフルエンサーでもないので、SNSでも数十人にしか届かない悲しさ。
でも、せめて、祈ります。
I am praying for Ukrain.
I am standing with Ukraine.
God, please help us, send some guidance from above...
次回(12)はウクライナ2日目について書きます。