今回は、五輪が始まる前まで夫と一緒に平日の夜に1話ずつ観た韓国ドラマ
『サイコパスダイアリー』
について書くと同時に、夫婦一緒で観ることがあまりなかった韓国ドラマに夫も突如夢中になった原因についても分析したいと思います。
これを機会に主婦やおばちゃん以外の幅広い層にも興味を持つ人の層が広がることを願いつつ・・・。
- 夫と韓国ドラマを一緒にみることになった経緯
- 韓国ドラマ「サイコパスダイアリー」を観た感想(最初の数話だけ微量のネタバレあり)
- このドラマを夫婦で楽しめたのはなぜ?
- サイコパス(Psychopath)とソシオパス(Sociopath)の意味の違い
夫と韓国ドラマを一緒にみることになった経緯
韓国ドラマ観まくりキングの私とは異なり、夫は韓国ドラマをまともに観るのは今回が2作目。
1作目は「製パン王キムタック」で、これまた偶然ですがユン・シユンさん主演のドラマでした。
「製パン王」のときは、夫は確か第6話くらいから私が見ているそばで仕方なく観始めたのですが、途中で面白くなったみたいだったので、私が第5話までのストーリーを朝の散歩中に詳しく説明して、30話まで一緒に観ました。
その最初の体験が悪くなかったようで、それまで何年もの間、韓国ドラマには一切興味を示さず半沢直樹に狂気爛漫していた夫が、今回の「サイコパスダイアリー」も一緒に観ることになったのです。
食わず嫌いだったのかもしれません。
韓国ドラマ「サイコパスダイアリー」を観た感想(最初の数話だけ微量のネタバレあり)
Rating: ★★★★☆(4.8)
全体を通してとても面白かったです!
最後まで油断ならないストーリー展開がドキドキはらはらで、限りなく5に近い4です!
見どころを書きます。
「サイコパスダイアリー」の見どころ①:奇想天外なストーリーと豊富なユーモラスな描写
主人公のユク・ドンシクは証券会社に勤めるお人好しで心根の優しい青年。その優しさに漬け込んだ同僚に無理な仕事を押し付けられたり、失敗の責任を被らされたりします。でもある時たまたま居合わせた殺人現場で連続殺人犯の書いた日記を拾ったところから、運命が変わってしまいますーー自分はサイコパスの殺人鬼だと思い込んでしまうのです。
これは現実にはありえない設定です。また、日記を拾った直後に車にひかれて記憶喪失になるのですが、この設定もよくあるベタな韓国ドラマの王道といえます。韓国ドラマはとにかく記憶を失いすぎです!人間そうそう記憶なんて失うはずがないですから。
ですが、それでもこの状況が面白い!と思えるのは、要所要所にユーモアが散りばめられているからです。
このストーリーはすべてが勘違いから始まるのですが、その勘違いがとても可愛いので、素直に笑えます。ちょっとだけその中身を言うと、例えば、日記を書いた犯人は父親のことを「会長」と日記に記しているのですが、主人公の父親は焼肉店の店主で会長ではありません。ですが、山岳会の会長をしており、奥さんがたまたま「会長〜」と冗談半分に父親を呼ぶのを聞いて、自分の日記と辻つまが合うと誤解してしまう場面があります。
「サイコパスダイアリー」の見どころ②:連続殺人のドラマでありながら、楽しく明るい雰囲気のドラマ
サイコパスダイアリーは、連続殺人犯が出てきて、人がたくさん殺されるドラマでありながら、怖さはあまりなく、むしろ明るいドラマです。
特に、自分を殺人鬼だと誤解している主人公や同じマンションの住人、会社の同僚とのやりとりがコメディータッチで描かれているので、恐ろしい場面が間に挟まれても、終始楽しんで観られました。
コメディーとサスペンスの融合が非常にうまくいった作品だと思います。
「サイコパスダイアリー」の見どころ③:主要キャストも脇役もキャラが濃いめ
このドラマでは、主人公のユク・ドンシク演じるユン・シユンさんの演技が光っています。この役は彼にしか演じられないんじゃないかと思うほど、お人好しが人殺しになろうとする姿をうまく演じています。
ドラマの内容を知らなくても、ユン・シユンさんが出ているから面白そう!観たい!と思わせてくれる魅力的な俳優さんです。
先に述べたドラマ全体の面白さも、主役がユン・シユンさんだからこそ作り上げられた雰囲気だったのかもしれません。ところどころで、主人公が細い目になるシーンは必見です。何のことを言っているかは実際にドラマで確かめてみてください^^
また、連続殺人魔を演じるパク・ソンフンさんも、ものすごいハマり役で、普段のイケメン御曹司の顔から、こんな悪い顔どうやったら出来るんだというくらい恐ろしい殺人鬼に早変わりします。
また、ドンシクの家族や会社の同僚もものすごくいい味を出していて、特に証券会社内のキャラの濃いやり取りがツボでした。
さらに、チョン・インソンさん演じる警官シム・ボギョンの父親の演技も実質1人2役のような見ごたえのある演技でした。
そして最後に、見どころ①でも書いたユーモアの部分に大きく関わってくるのが、チンピラ役の男なのですが、彼については、見てからのお楽しみということで、ドラマの中で確認してみてください。ちゃんちゃら面白いです。
このドラマを夫婦で楽しめたのはなぜ?
韓国ドラマは全体的に恋愛ものが多いので、内容が甘ったるいです。そうした内容はあまり夫には人気がなく、興味がないようです。中年のサラリーマンに恋愛とかは現実的ではない模様。
一方、このドラマ「サイコパスダイアリー」は恋愛要素がほぼなく、会社の人間関係や家族のことなどが主流であり、現実離れした設定の中にも働く世代が親しみやすい日常の要素が入っていることが一つ要因にあると思います。
その点では「製パン王キムタック」も一部三角関係は出てきますが、誰が誰とくっ付くかはドラマの中で重要ではなく、主人公のキム・タックがどうなっていくのかが知りたくて、次が早く観たいと思える内容だったのが、夫も一緒に楽しめた要因だったように思います。
サイコパス(Psychopath)とソシオパス(Sociopath)の意味の違い
サイコパスといえば、ちょっと前に綾瀬はるかさんと高橋一生さん主演の「天国と地獄〜サイコな2人〜」というドラマをTBS日曜劇場で放送していました。
このタイトルから推測するに、サイコという言葉はもう日本語になっているようです。
私は以前オーストラリアに住んでいた時はどちらかと言えばPsychopathよりもSociopathという単語の方をよく耳にしていたので、私のボキャブは以前はSociopathが優勢でした。
昔、米ドラマ「24」(ジャックバウワーのやつ)を見ていた時も、「あんたはSociopathだわ!(in 英語)」と女性が(誰だったか忘れた)テロリストに向かって言うセリフがあったのだけは覚えています。
ですが、最近はサイコパスという言葉をよく聞くようになり、定着しているように思います。
ちなみにアルクの英辞郎に両者は以下のように定義されています。
Psychopath:「サイコパス」「反社会性パーソナリティ障害者」
Sociopath:「社会的臆病者」「反社会的人間」
この2つの意味の違いが非常に気になったのでちょっとネットで調べてみました。
PsychopathもSociopathも善悪の判断力が弱く、他人の感情を理解しない人のことを指すようですが、この違いはあまりはっきりしません。
一説には、PsychopathよりもSociopathのほうが良心があるという見方もあるようです。また、両者は社会的に受け入れがたい行動を伴う人に使われますが、必ずしも殺人鬼やテロリストではないようです。
また、別の記事にはSociopathには一切良心というものがないと(上記と逆のことが)書かれていました。そして、PsychopathとSociopathの両者は完全に入れ替えて使用することが可能だとも記されていて、違いがよくわかりません。
調べれば調べるほど混乱してきました。
ただ、なるほど〜と思ったのは、Sociopathが「俺は他人がどうなったって平気だ」と周りに明示しているのに対して、Psychopathは一見親切そうに心配するふりを見せながら、実は心が病んでいるということみたいです。
そういえば「サイコパスダイアリー」の連続殺人魔も日常ではいい人の仮面をかぶっていましたし、自分がサイコパスだと勘違いする主人公も、普段はものすごくいい人が実は裏では恐ろしい殺人に手を染めているという筋書きだったので、この定義に関してはドラマの状況とぴったり合います。
なるほど、だからやっぱり、このドラマのタイトルは「ソシオパスダイアリー」ではなく、「サイコパスダイアリー」でなきゃだめだったんですね。