通訳翻訳をする傍らで一度だけ某有名英会話学校で英語を教えたことがあります。
TOEICの資格コース(パワーイングリッシュ)と日常会話のコース、それにキッズのクラスを教えていました。
ちゃんと書類審査に受かり、筆記テストと面接を受け、デモレッスンもやった上で採用されました。研修ももちろんたくさんありました。
でも、実はずっと生徒さんには秘密にしていたことがありました。それは、教壇に立つまで私がSVOをちゃんと理解していなかったことです。
SVOとはあの高校のグラマーで習うよくわけの分からんやつのことです。
高校一年生の時、英語のグラマーの授業はヨネちゃんという(昔すぎて時効とみなし実名公表)早口でつるっぱげの先生が教えてくれました。そのハゲ頭の輝きたるや・・・・・それはともかくとして、この先生、とにかく話がよくわからんのでした。御察しの通り、私はオツムがあまり良くないので、高校入学して4月にいきなりこの早口のヨネちゃんの授業で英語がサーッパリ分からなくなってしまい、早々に落ちこぼれたのでした。
このヨネちゃんの授業で唯一覚えているのが英単語のoccurを教えるときにぶっ込んできた
「おかぁ(occur)は怒る(起こる)」というダジャレだけ。
それ以外何を教わったかは記憶喪失です!
グラマーだけでなくリーダーの先生も私は嫌いで(担任でしたが)、よく授業中に寝ていたので、(まーそんなこんなで人のせいにしていますが)高校の時の英語の成績は散々でした。
実はこれ、通翻訳者として働き始めてからも、うやむやなままでして、この某有名英会話学校で教える直前まで実はSVOどころか「目的語」「補語」とは何なのか、「副詞」とは何なのかさえもよく分かっていませんでした。
おはずか。
が、しかし、
パワーイングリッシュの最初の授業で私が教えることになったのが事もあろうにこのSVOだったのです!
それで焦って教える内容を猛勉強。品詞などについて学びました。ただ、ちゃんと勉強すると文法は意外と面白く、多くの発見がありました!副詞は動詞を修飾するとか!知らんかった〜!補語と目的語の違い、知らんかった〜!感動アリアリ。
ただ、大変申し訳なかったのは、自分が必死こいて10日ほど前に初めて知った内容をあたかも生まれた時から知っていますというテイで生徒さんに教えたことです。
ハハ。
多分バレてなかったと思います。
何が言いたいかというと、このSVOの知識、なくても語学には支障がないよということです。文法の知識があると時間の短縮にはなりますが、うろ覚えだと後々の崩壊も早いので、文法を覚えるのなら徹底的に習得した方がいいと思います。一方で、文法に頼らずに一定の法則をデータの蓄積により編み出してしまえば、一度身についたものを忘れるということはないはずです。
私はSVOの知識がなくても英語は喋れるようになれましたし、TOEICで900点以上の高得点は取れました(但し、TOEICで高得点が取れることと喋れることは違います)。副詞の位置がどこか?など考えなくても、たくさん聞くことで頭の中にデータが蓄積されるので、自動的にどの単語をどこに置けば良いか分かってしまうからです。英語を話すとき、この単語の品詞はなんだ?などと考えたことは一度もありませんでした。リスニングなどはサラサラ答えられます。
私がやったのは、とにかく人が言うことを死ぬほど聴いてできるだけ真似ることだけです。そう、オウムのごとく。文法を覚える方が頭がおかしくなりそうだったので、私にはこのスーパー単純な方法が合っていました。その代わり、もう自分は誰にでもつきまとう鳥になったぐらいの気持ちで、あらゆる人の言うことにそば耳を立てていました。
今はひと昔前とは違い、ネットであらゆる英語が聴けます。なので、コピー機の裏側に潜んで怪しまれる必要はありませんが(そういうこともやりました)、たくさん聴くことは大事です。
ただ、この学習方法は時間が掛かりすぎるという欠点があります。なぜなら一定の法則を見出すのに膨大なデータが必要なので。でも一度悟りを開いたら、後で間違えることはほとんどなくなると思います。
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