語学好きが興味をそそられる動画
最近みたYouTubeで面白いものがあったので紹介します。
語学が好きな人にとってはとても興味深い内容です。
特に中国語と韓国語の学習者にとってはなるほど〜と思えます。
彼の問いかけはシンプルです。
日本語と中国語と韓国語のうち、どれを学ぶべき?
母国語以外の人がこの3言語を選ぶ時どれが良いの〜?という素朴な疑問です。
日本人としては日本語を選んで欲しいですが、答えはそうシンプルではないですよね。
この類の質問は、ともするとくだらない質問のようにも思えますし、同様に3カ国語を学んだ身からすると、この質問って答えるの面倒だなーと思ってしまいます。
BigBongさんがこの動画を作成したのも、この類の質問をたくさん受けてのこと。
でも、彼はとても丁寧に分析し、回答しています。
BigBongさんとは一体何者?
BigBongさんはフランスとレバノンと日本がルーツの方で、パリで育ち、カナダに住んでいるようです。
俳優さんで、フランス語と日本語と英語がおそらく自由自在です。
また、旅や語学が好きで、現在中国語を含む6カ国を学んでいるところだそうです。
この動画の面白い点は、彼が出した結論にたどり着くまでのこの3言語に対する見方です。
私も薄々感じていたことなので、とても共感が湧きます。
ただ、せっかく面白いことを言っているのに、BigBongさんは英語で話しているので、英語学習者以外は内容が理解しにくいのが難点。
そこで、以下、この動画の内容をかいつまんで解説します。(全訳ではなく要約です)
英語を学習している方は6分弱の短い動画なので、自分で聴いてみるほうがわかりやすいと思います。
www.youtube.com出典:Japanese, Korean or Chinese: Which One to Choose? - BigBong
BigBongさんのこの動画の内容(要約)
最初に前置きとして、
1. 学ぶ言語の選択は個人的なものである
2. この世に他の言語に勝る言語などというものは存在しない
ということを前提として述べたうえで、
中国語を学べば10億人の人と話せるようになるし、
日本語を学べばアニメをサブタイトルなしでみれるようになるし、
韓国語を学べば『江南スタイル』が歌えてるようになるよと言っています。
補足すれば、中国語人口はもっといますね。
また、最後の韓国語のPSYさんの歌は今だったらBTSに置き換えられるかもですね。
次に、3言語の特徴を述べています。
最初のポイントは、スペイン語を学べばフランス語とイタリア語を学ぶのに役立つように、日本語と韓国語は文法が似ている点。
日韓両言語ともに接尾辞が文の中の言葉の役割を決める膠着語で、両言語とも助詞などが同じようにあり、基本的な文の構造(主語+目的語+述語の順)は同じである一方、
中国語は英語と同様に(中国語+動詞+目的語の順)だと言っています。
中国語の語順=英語には個人的に若干異論もありますが、
それは一旦置いといて、
この動画では四声についても紹介しています。
日本と中国にある共通の漢字も「手紙」を例に意味と発音が両国で異なることに触れたうえで、日本語にはほかに平仮名とカタカナがあるけど、日中の人は漢字の筆談でコミュニケーションもある程度可能だと言っています。
さらに、韓国語は世宗さんが世の中に文学を広げるために作ったハングルという文字が使われていて、韓国人によると、ハングル文字は頭悪くても短時間で学べる文字だという点。
また、ハングル文字以前は韓国の人も漢字を使っていたので、韓国語の単語の多くは日本語と中国語と似ていますと、
とても鋭いところに触れています。
これ本当!
ここでは茶(日本語)と茶(中国語)と차(韓国語)を例に挙げています。
温度についても
おんど(日本語)と온도(韓国語)は発音がほぼ同じだし、温度(日本語)と温度(中国語)は漢字が同じ。
こうした特徴を踏まえたうえで、
彼の個人的な意見として、
BigBongさんは日本語から始めるのが良いと言っています。
日本語の漢字を学ぶと韓国語と中国語に役立つから。
中国の人と筆談できちゃうし、おまけに日本語の膠着語と同じ韓国語も学習しやすくなるよと。
でも、この3言語は音が全然違うから、音を聞いて自分がよりコレ!と感じたり心地よく感じたりするものがあるのではと締めくくっています。
3つの言語の音の違いとして最後に動画クリップを例として添付してありますが、
日本語はなぜか小栗旬さんのインタビュー、韓国語はチョン・ジヒョンさん、中国語は《出彩中国人》という番組に出てきた可愛い子供がなぜかリモコンを取り出すシーン!笑
でした。
日本人にとって学びやすい言語は存在する!
BigBongさんのこの動画の内容で特にそうそう!と思ったのが、
日本語を学ぶと中国語と韓国語に役立つという点。
日本人の多くがそのことに全く気付かず、言語構造の全く違う言語を学ぼうとして、挫折するパターンを多く見かけます。
例えば英語なんかはその典型で、語順もアイデアも、単語やフレーズと結びついている文化やスキーマも全く異なる言語なので、単純に単語を暗記しても学ぶのがしんどい言語。
英語圏に住んでみて彼らが日常で見ているものや体験していることを知り、思考を理解することで、イディオムやフレーズなどが理解できることは多いですが、欧米と全く異なる文化を持つ日本やアジア人には理解できないことも多いので、言語を世界を結び付けようとするとしんどいのだと思います。
スキーマが違うんですよね。
今はテレビやネットで世界中の情報が入手できるので、世界を知った気になりがちですが、文化って自分が思っているよりも深く人々の脳の中に根付いています。
逆に、お隣韓国や中国の場合、文化の違いはあれど、同じ漢字がルーツの国なので、考え方が似ていることも多いです。
元々大陸から伝わった文化やことわざ、成語などはほぼそのまま日本語として使えるものも存在します(逆に、見かけは似ているのに意味の異なるものもあります)。
日本は江戸時代まで鎖国をしていたため欧米の文化には疎いです。
でも、想像以上に中国や朝鮮半島との交易から様々な知識を得ていたのだというのは、中国語と韓国語を学んで分かったことです。
結果、日本が最初に頭一つ飛び抜けて、Japan as number oneなどと呼ばれていた時代もありましたが、今では中国に抜かれてしまい、欧米文化に疎かった日本は英語でも中国や韓国に遅れをとってしまいましたね。
でも、日本語は韓国語とも中国語とも共通点のある便利な言語なので、いずれかの言語を学ぶのは英語やフランス語よりもはるかに簡単なはずです、理論的には・・・。
ただ、好みもあるのでわかんないですけどね。
ちなみに、中国語の漢語橋にはベトナム人のクラスメートがたくさんいて、中国語を話すのが上手ですが、何も驚きません。
なぜなら、ベトナム語は元々漢字ですし、文法も日本語と韓国語くらい似ているので。
日本にいる技能実習生の現在の窮状(実習生への搾取やいじめなど)を鑑みると、今後ベトナムの人々にとって日本の印象はどんどん悪くなり、他国に労働力が流れていくんでしょうね。
なんか最後社会的な嘆きになってしまいすみません。。。
いずれにしても、語学好きには面白い動画なので是非見てみてくださ〜い!